四十男のにわかVAPE研究25 - VAPE歴3ヶ月の私が購入したHcigar Maze V3 RDAは・・・その後 -

わかってはいたが、壁のスイッチを確認するために立ち上がった。
ここ数日間の疲れを引きずり、鬱々とした気分に飲み込まれそうになるのを覚えた私は、随分と神経質になっているのだ。

この部屋のクーラーが、仕事を拒絶していることにも慣れてしまい、上着は3日前から着るのをやめた。それでも、全身にじっと汗が滲んでいる。

スイッチのONとOFFを幾度となく繰り返し、肩を竦め、黙って窓を大きく開けた。
電気を止められていることは、わかってはいたが、窓を開けるための儀式のようなものだ。
毎日、飽きもせず繰り返すこんなことが、最近の日課になってしまっている。

私の稼業は、何度もいうが、私立探偵だ。街外れの路地裏に看板を掲げている。
ここ数日の来客はなく、仕事の依頼など、もう来ないのかもしれない。
Goblin Mini V3を分解したのは何時だったかは忘れたが、今はMaze V3に熱を上げている。

デスクに足を投げ出し、ギシギシ音を立てる安椅子に掛けた私は、前回のビルドを想い返していた。
錯誤しながら組み上げたMaze V3は、それなりだったが、私を心の底から喜ばせることは無かった。

溜めた息を軽く吐き出した私は、親指の腹で額の汗を拭った。
ドリップチップに口をつけ、確かめるように吸い込んでみた。
ミストはまあまあだが、「こんなものなのか？」と呟き、Maze V3をじっと見つめた。

軽く舌打ちした私は、徐にMaze V3の分解をしはじめた。
SS316L、28ゲージ、コア2.5mm、10巻きのスペースドコイルにして組み直した。
狙いは1.0Ωだ。

いつものように根拠らしいものは何もない。ステンレススチールで巻いたコイルは、チェーンする場合はマイクロではなく、スペースドで組むのが定石らしい。

コイルに火を入れ、お座なりに抵抗値を確認しようとした私は、妙なことに気付いた。

火を入れた後から、抵抗値がどんどん下がっていくのだ。
1Ωを狙ったはずだったが、上は1.3Ωから下は0.87Ωまで、数字はたどたどしく変化していく。
もう何が起こっても驚かないが、初めて見る不可解な現象に肩を竦めた。

コットンを詰めたコイルの高さは、前回を踏まえてエアフローチューブからは離し気味にする。

顎の先からは汗が滴っているが、気にはしない。  手早く後の作業を終わらせた私は、Maze V3をMODに乗せ、もう一度抵抗値を見た。
0.99Ωだ。

軽く肩を竦めた私は、「全く、今日はよく肩の運動をする日だな。」と呟いてみた。
13.3WにしたAspire NX75でMaze V3に火をいれ、ミストを吐き出した。

「・・・今日はこんなところか」低く呟いた私は、ゆっくりと立ち上がり軽く伸びをした。

「今度は、クラプトンか？」呟いてみたが、こればかりは自分で試すしかないのだ。
壁のスイッチに目をやりながら、「いつになれば･･･」と口にしかけ、ドリップチップに口を付けた。
不意に、電話が思い出したように鳴りだした。

口元だけで笑った私は、できるだけゆっくりとした動作で、受話器に手を伸ばした。


本日登場したもの
今回は、もう書かないな、前の投稿をみてくれ。


次回に会おう、会えればだがな。　理解してもらおうとも思ってないんだ、つまりは、意味がないってことだ、一服やりなよ。悪かった、もうこんな書き方は、これが最後だとはいい切れないがね。


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